ラララ言えるかな☆花總まり/松下優也『ROMALE ~ロマを生き抜いた女 カルメン~』2018年3~4月』

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浦原商店東京大空襲メモリアル 【浦ルキ、浦夜】


 3月10日メモリアル『BLEACH』ショートストーリー。再録です。
 今日は東日本大震災メモリアル。あれから6年ですね。そして昨日は東京大空襲から72年のメモリアルでした。
 
 この物語は、以下のMy設定上で繰り広げられています。

 緋真に捨てられたルキア夜一に拾われ現世の浦原に託されます。その後ルキアは浦原商店で喜助とテッサイに育てられました。
 恋次達と出会ったのは現世の記憶を消された後。
  20100807.png



浦原商店東京大空襲メモリアル


 「きすけ、またあの大きな鳥が飛んでおるぞ」
 3月初頭の風の強い日、工場地帯のはるか上空を飛ぶアメリカ空軍爆撃機B-29を、2階の窓から見つけたルキアが浦原に声をかけた。
 いつのことだったか、目のいいルキアが初めてあれを見た時は、大きな鳥だと思ったようだった。
 真っ青な空高くを飛び太陽光を反射して時折羽根を銀色に輝かせるB-29は、確かに珍しい黒い鳥にも見えた。

 「あれが飛んできたら危ないことが起こるんスよ。」
 書き物をしていた浦原は、窓際で空を眺めていたルキアに防空頭巾を被せるために立ち上がった。

 「きすけはかぶらないのか?」
 「いいんすよ。オトナっすから」
 防空頭巾の紐を結んでやるためルキアの前で膝を付くと、目線が同じ高さになる。間近で見つめ合えば、構ってくれるのが嬉しいのかルキアの表情が緩んでくる。
 あごの下で指を動かせば、白くまろい頬を桃色に染めてくすぐったがり、こどもらしい仕種がなんとも可愛らしい。

 『そんなしぐさに色を感じたワケではないんすけど・・・』

 浦原はルキアの脇の下に手を入れ持ち上げると胡坐をかいた自分の膝に座らせ、やわらかな頬に無精ひげの生えた頬を擦り付けた。
 「いたいではないかっ」
 小さな拳で浦原の胸を叩くルキアは、下から涙目で睨んでくる。
 長い睫毛に縁取られた薄く水の張った大きな瞳に雄の顔をした己を見た浦原は、ルキアに気付かれぬよう深呼吸し、急いでいつもの飄々とした顔を取り繕った。

 「すみません。これで許してもらえませんかね?」
 どこから取り出したのか、ルキアの目の前には粗い砂糖粒がキラキラ光る大きな飴玉が一つ。久しぶりの甘味に期待し機嫌を直したルキアの口に、浦原はつまんだ飴玉を押しこんでやった。

 「おいしいっすか?」
 ルキアは大きな飴玉を含んだまま、目を細めコクリと首を縦にふる。
 「んー、甘いっすね」
 飴玉をつまんだままルキアの口内へ進入したままだった親指と人差し指を舐め、浦原も満足げに目を細めた。

 それにしてもアメリカ軍の爆撃は日を追うごとに激しさを増している。最初は工場や中枢機能を狙っていた攻撃が最近では市街地へも及びだした。
 1月27日の銀座空襲では有楽町駅が民間人の死体であふれ、先月25日は神田駅を中心に広範囲が焼失。首都とはいえここは中心地から遠く離れており爆撃の対象ではないだろうが、いつまでも安全とは言いがたい。
 重霊地ゆえ離れるわけにはいかないし、もとより自分達は爆撃をかわすことは容易である。
 しかし幼いルキアの精神衛生上、ここで暮らし続けることが良いとは思えなかった。

  「引越しを考えるべきですかね」
 膝の上でおとなしく飴を舐めている小さな少女をやさしく抱き込み、浦原は被せたばかりの防空頭巾をずらしルキアの髪に鼻先をうずめた。
 瞳を閉じスンとルキアの匂いを嗅ぐと、身体中がやさしさと愛しさで満たされる。さきほど押さえ込んだ感情が再び首をもたげたが、今はその時ではない。
 そして浦原は、飴を舐めるルキアの邪魔にならぬよう、そっと、けれどいくつも、黒く滑らかな髪に口付けを落としていった。

 「変態エロ商人、店番はしなくてよいのか?」
 「何を今更。売るモノがなくて、もうずっと開店休業中じゃないっスか。」
 「よるいちさまっ、いらしていたんですか」

 突然現れた大好きな人の姿に、ルキアは顔を輝かせ一瞬のうちに夜一にしがみついた。あっという間に、浦原の膝からは幸せな重みと温かさは失われてしまった。
 「昨夜遅くに来たのじゃ。ルキアは寝ておったから挨拶が遅くなりすまんかったの。」
 夜一の琥珀の瞳に覗き込まれ、頭を撫でられるルキアは全身で嬉しさを表していた。

 そう、夜一は夜半過ぎに突然現れた。けれどもそれはいつもの事。
 突然やって来ては己の欲を満たし、浦原が目覚める前に姿を消すのがパターンだ。
 ところが今回は、随分と久しぶりに寝顔を見せてくれた。
 珍しいこともあるものだ。
 悪いことが起こらぬといいが・・・

 「ところで喜助、おぬしもちっとは成長しておるようじゃの。」
 「アタシはずっと前に成長は止まってますよ?」
 「ふふ・・・以前は胸でもうなじでも内股でも、やたらと痕を付けたがっておったではないか。最近は赤い花を散らすのはやめたようじゃな。子供っぽい独占欲が消え失せ、おぬしもいっぱしの男になったのかの。」
 「ちょっ、夜一サン。子供の前でナニ言い出すんスか!」

 浦原はあわててルキアの耳を両手で塞いだ。
 ワケが分からず目蓋をパチパチと瞬かせ、浦原と夜一の顔を交互に見つめるルキア。
 困った浦原はルキアを抱え上げ、テッサイのいる階下へ行こうとした。

 ところがよいタイミングでテッサイが2階に茶を運んで来た。
 浦原に抱えられたルキアは、盆に乗っている饅頭の山に瞳を輝かせ浦原の腕を解こうと身体を捩る。
 「わしの土産じゃ、たくさん食べてよいぞ。おっ?ルキア足首が赤く腫れておるな。」

 見るとルキアの白く細い足首の裏が、親指の先ほど赤くなっている。
 「啓蟄は過ぎたが、もう虫に刺されたとは」
 夜一はルキアの足首に手をかざすと、鬼道で跡形もなく消してやった。
 そんな自分の行動に、浦原が僅かに眉をひそめた事など気付きもせずに。

 けれどテッサイは、浦原の様子に気付いていた。
 そしてルキアと同じ赤が、夜一の足首の裏にあることも。
 誰が2つの痕を付けたかも。


 それから数日後の3月9日、浦原は駄菓子屋をたたみ首都を離れた。
 その夜は警戒警報が出されたものの一旦解除された。ところが解除後、日付が変わった直後の3月10日午前0時7分、深川地区から爆撃が開始されたのである。
 爆撃は城東区(現在の江東区の一部)浅草地区や芝地区(現・港区)へと広がった。
 279機のB-29の攻撃は3時間足らずで下町を焦土と化し、約10万の命が還らぬものとなった。


 引越しに疲れたルキアは早々に眠り、スヤスヤと安らかな寝息をたてている。
 浦原とテッサイは、昨日まで浦原商店があった辺り・・今・は赤く夜空を染め上げる彼方を、ただ無言で見つめていた。

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| BLEACH(アニメ・ミュ含む) | 03:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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