ラララ言えるかな★谷崎潤一郎

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【BLEACH】『ハチクロ』ってなんだよ?【イチルキSS】

 2010年のクローバーが盛りの頃に別ブログへあげていたイチルキSSです。
 「立ちション」と言わせたかった&そこはかとなく漂う白ルキ、浦ルキ臭・・・何でもOKな人向き。

*** *** *** *** *** 

 『ハチクロ』ってなんだよ?


 黄金週間、とある日曜の午後の空座町某所。
 立夏を過ぎた土手に続く広場には草が生い茂り、濃さを増した緑とくっきりとした空の青が夏が間近い事を物語っている。
 そんな健全な場所で、オレンジの髪と黒髪の、高校生らしき男女が剣呑な空気を醸しつつあった。
 
 「朽木ルキアさ~ん。そろそろ負けを認めてはどうですかね~」
 「う、うるさいっ!!この私が貴様ごとき小僧相手に負けを認めると思うのかっ!!」

 このルキアに不利な状況は、俺の10倍生きているとかサバよんで、いかに自分が経験豊富で俺がヒヨっこかを強調しはじめる流れだ。
 面倒な流れだ。断ち切らねば。
 滅多にない、邪魔者なしに過ごせる貴重な時間を無駄にしたくはないのだ。
 
 「では・・・」
 一護は深呼吸をすると、背筋を伸ばして『起立』の姿勢をとった。

 「素直に教えを請うては如何でしょうか、お姉さま。」
 そして19世紀の英国紳士がシルクハットを取り淑女に敬愛の礼をとるように、うやうやしくも大袈裟な動作で、ルキアにお伺いを立ててみせた。
 芝居がかった一護の態度に毒気を抜かれたルキアは、擦りむいた箇所に今日何度目かの鬼道をあてながら、一護のいやみな態度にそっぽをむいた。

 今ルキアは、膝を立てた格好で草の上に腰を下ろしている。
 隣に鎮座するのは、土や草がこびりついた自転車だった。
 ワンピースの裾から覗く2本の脚には、ところどころ土が付き血も滲んでいた。
 この水色のワンピースはルキアのお気に入りだが、今日は何度も転んだせいでワンピースの裾は茶色いまだら模様になってしまっている。

 「なー。そのワンピース大切なんだろ?だったら妥協しないか?」
 擦り傷がいくつできようが構わないルキアが、お気に入りのワンピースの汚れに、実は相当落ち込んでいることは明白だ。
 ルキアの態度に軟化の兆しが見えてきた。
 一護は言葉を続けた。

 「時間をかけて練習すれば、俺のアドバイスなしでも日が暮れる頃には乗れるようになるかもしれない。でもその時には確実に、大切なワンピースは汚れだけじゃなく、ほつれたり破れたりしているはずだ。」

 「うっ!!」
 流石のルキアも返す言葉がない。

 というのも、それが白哉から贈られた物だからだ。
 浦原に頼んで仕立てさせた水色のワンピースは、普段着ではあるが品も兼ね備えた一品で。
 肩ひじばらず、かといってくだけ過ぎず、実に美しいシルエットでルキアの可憐さを引き立てる。
 どちらの見立てかは知らないが、悔しいほど似合っている。

 ルキアの小さな頭の中で、プライドやなにやらが戦っているのだろう。
 無意識に百面相をやっている。
 他に邪魔者もいないから、一護だけがルキアの百面相を堪能し、脳内ルキア秘蔵画像フォルダに貯めていく。

 ルキアとて、最初はキチンと一護に乗り方を習うつもりだったのだ。
 が、つい強がって、

 「貴様に出来る事が、私に出来ぬはずないではないかっ!」
 と言ってしまった。

 一方一護の方も
 「立ちションはできねーだろ!」
 と言い返しそうになったが、口に出せば死ぬほど痛い目にあうのは明白なので、言葉を飲み込んだのは、もう2時間ほど前の事だ。
 とはいえ、お互い頭も冷え何となく和解ムードが漂ってきて、一護は気になっていたことを尋ねてみた。

 「にしても調子よく乗ってたのに、何で急にハンドル切ったんだよ。」
 「あのまま直進するとアレを踏みつぶしてしまうからだ。」
 ルキアが指差した場所には、丸く白い花がかたまって咲いていた。

 「クローバーだな。」
 「クローバー? 西洋の花か?」
 「いや、『白詰草』っつーから日本の花だろ。」
 「だが私は初めて見る花だぞ。あちらには絶対ない花だ。」
 眉間にしわをよせて考え込んでいたルキアが、あっ分かった!と呟き急に顔を上げ一護を見上げた。
 
 「現世のタンポポとソウルソサエティの蒲公英は違っていただろう。多分あれだ。そう、『帰化植物』というヤツだ!」
 楽しそうに話すルキアの表情はコロコロと変化する。
 さきほどの百面相とは違い、そのどれもが笑顔だ。
 
 輝く瞳は、時折空の色を映して青い。
 さらに覗くと、眉間のシワがトレードマークと言われるオレンジ髪の男の、シワなしの緩んだ顔も映っている。
 その瞳も、弧を描く唇も、ルキアの笑顔全部が一護だけに向いている。

 「あーー。俺、いま最っ高に幸せかもしんねー。」

 ・・・とその時

 「思い出したぞ、一護!!」
 幸福な気分が吹き飛ぶような大声が、ルキアの口から発せられた。

 「クローバーとはハチミツを塗ったパンにはさむモノだっ! 小川に借りたマンガのラストで、ヒロインが旅立つ男に渡した餞別だ。縁起物だぞ。」
 一護には、ルキアの言っている内容はさっぱり理解できなかったが、幸せなひとときに暗雲が垂れ込めてきたことだけは分かった。

 「よし、わたしも早速“四つ葉のクローバー”を探すぞ。オイ、何を呆けているのだ一護。貴様も一緒に探すのだ。手伝えっ!」
 言い終わるより早く、ルキアはクローバーを目指して駆け出していた。
 一人残された一護は、ため息と共につぶやいた。

 「自転車の練習。つーか勝負?はどうなったんですか、ルキアさん・・・」


*** *** *** *** ***


 拍手お礼イラストもイチルキ。ルキアからKISSするところを自家発電してみました///

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