ラララ言えるかな

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【BLEACH】浦ルキ&浦夜SS(R-15) 東京大空襲メモリアル 

緋真に捨てられたルキアを夜一が拾い、現世の浦原に託します。
そのためルキアは浦原商店で幼少期を過ごす事になりました。
・・・・・という設定です。
浦原と夜一を「おとうさん、おかあさん」と呼ばせるのもアリかな(笑)
でもやっぱり浦原は「きすけ」、夜一は「よるいちさま」、鉄裁は「テッサイ」がしっくりきますよね。
それに「おかあさん」役はテッサイだし(^^)


第2次世界大戦末期、昭和20年3月の浦原商店でのお話し。
登場するのは、ルキア、浦原、夜一、テッサイです。
浦ルキで浦夜(夜浦?)。
浦原さんがちょっと変態です。そのためR-15にしていますがエロはありません。


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「きすけ、またあの大きな鳥が飛んでおるぞ」

3月初頭の風の強い日、工場地帯のはるか上空を飛ぶアメリカ空軍爆撃機B-29を、2階の窓からルキアが見つけた。

いつのことだったか、目のいいルキアが初めてあれを見た時は、大きな鳥だと思ったようだった。
真っ青な空高く飛ぶ珍しい黒い鳥は、太陽光を反射して時折羽根を銀色に輝かせて飛んでいたのだ。

「あれが飛んできたら危ないことが起こるんすよ。」
書き物をしていた浦原は、窓際のルキアに防空頭巾を被せる。

「きすけはかぶらないのか?」
「いいんすよ。オトナっすから」
防空頭巾の紐を結んでやるためルキアの前で膝を付き、目線を同じ高さにする。
あごの下で指を動かせば、白くまろい頬を桃色に染めてくすぐったがり、その様はなんとも可愛らしい。

そんなしぐさに色を感じたワケではないんすけど・・・

浦原はルキアの脇の下に手を入れ持ち上げると胡坐をかいた自分の膝に座らせ、やわらかな頬に無精ひげの生えた頬を擦り付けた。
「いたいではないかっ」
小さな拳で浦原の胸を叩くルキアは、下から涙目で睨んできた。

「すみません。これで許してもらえませんかね?」
どこから取り出したのか、ルキアの目の前にはキラキラ光る大きな飴玉が一つ。
久しぶりの甘味に期待し機嫌を直したルキアの口に、浦原はつまんだ飴玉を押しこんだ。

「おいしいっすか?」
ルキアは大きな飴玉を含んだまま、コクリと首を縦にふる。
「甘いっすね」
飴玉をつまみルキアの口内へ進入していた親指と人差し指を舐め、浦原は目を細めた。

それにしてもアメリカ軍の爆撃は日を追うごとに激しさを増している。
最初は工場や中枢機能を狙っていた攻撃が最近では市街地へも及びだした。
1月27日の銀座空襲では有楽町駅が民間人の死体であふれ、先月25日は神田駅を中心に広範囲が焼失。
首都とはいえここは中心地から遠く離れており爆撃の対象ではないだろうが、いつまでも安全とは言いがたい。
重霊地ゆえ離れるわけにはいかないし、もとより自分達は爆撃などかわせる。
しかし幼いルキアの精神衛生上ここでの暮らしが良いとは思えない。

「引越しを考えましょうかね」
膝の上でおとなしく飴を舐めている小さな少女をやさしく抱き込み、浦原は被せたばかりの防空頭巾をずらしルキアの髪に鼻先をうずめた。
瞳を閉じスンとルキアの匂いを嗅ぐと、身体中がやさしさと愛しさで満たされる。
そして浦原は、飴を舐めるルキアの邪魔にならぬよう、そっと、けれどいくつも、黒く滑らかな髪に口付けを落としていった。

「変態エロ商人、店番はしなくてよいのか?」
「売るモンがなくて、もうずっと開店休業なんっスよ。」
「よるいちさまっ、いらしていたんですか」

大好きな夜一の姿にルキアは顔を輝かせ、あっという間に浦原の膝の重みと温かさは失われてしまった。
「昨夜遅くに来たのじゃ。ルキアは寝ておったから挨拶が遅くなりすまんかったの。」
綺麗な瞳に覗き込まれ、頭を撫でられるルキアはとてもうれしそうだ。

そう、夜一は夜半過ぎに突然現れた。
けれどもそれはいつもの事。
突然やって来ては己の欲を満たし、浦原が目覚める前に姿を消すのがパターンだ。
ところが今朝は、随分と久しぶりに寝顔を見られた。
珍しいこともあるものだ。
悪いことが起こらぬといいが・・・

「喜助、おぬしもちっとは成長しておるようじゃの。」
「アタシはずっと前から成長は止まってますよ」
「ふふ・・・以前は胸でもうなじでも内股でも、やたらと痕を付けたがっておったではないか。最近は赤い花を散らすのはやめたようじゃな。子供っぽい独占欲が消え失せ、おぬしもいっぱしの男になったのかの。」
「ちょっ、夜一サン。子供の前でナニ言い出すんスか!」

浦原はあわててルキアの耳を両手で塞いだ。
ワケが分からず目蓋をパチパチと瞬きさせ、浦原と夜一の顔を交互に見つめるルキア。
困った浦原はルキアを抱え上げ、テッサイのいる階下へ行こうとした。

ところがよいタイミングでテッサイが2階に茶を運んで来た。
浦原に抱えられたルキアは、盆に乗っている饅頭に気付き大喜びだ。
「わしの土産じゃ、たくさん食べてよいぞ。おっ?ルキア足首が赤く腫れておるな。」

ルキアの白く細い足首の裏が、親指の先ほど赤くなっている。
「啓蟄は過ぎたが、もう虫に刺されたとは」
と夜一は鬼道で消してやった。
そんな自分の行動に、浦原が僅かに眉をひそめた事など気付きもせずに。

けれどテッサイは浦原の様子に気付いていた。
そしてルキアと同じ赤が、夜一の足首の裏にあることも。
誰が2つの痕を付けたかも。

それから数日後の3月9日、浦原は駄菓子屋をたたみ首都を離れた。
その夜は警戒警報が出されたものの解除され、10日に日付が変わった直後の0時7分深川地区から爆撃が開始。
爆撃は城東区(現在の江東区の一部)浅草地区や芝地区(現・港区)へと広がった。
279機のB-29の攻撃は3時間足らずで下町を焦土と化し、約10万人が非業の死を遂げたのである。


引越しに疲れたルキアは早々に眠り、スヤスヤと安らかな寝息をたてている。
浦原とテッサイは赤く夜空を染める首都を無言で見つめていた。

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